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貸したお金や売掛金の請求
《内容証明で貸金・売掛金を請求する前の確認事項》
■やるべきことはやりましたか?
・口頭・電話・メールなどで支払いの催促はしましたか?
・請求書は間違いなく取引先に届いていますか?
(請求書の出し忘れにもかかわらず、内容証明で請求する
というのは最悪のパターンですよ)
・当初の契約通りに納品を完了しましたか? (納品時期・商品内容等に
おいて、あなたの側に落ち度があると話は全く違ってきますよ)
・売掛金の金額や納品を証明する書類をきちんと保管していますか?
・借用書のない貸金の場合、後々の展開に備えて貸し借りの事実を
証明できるもの(債務弁済契約書など)を作成・取得する努力
をしましたか?
■心の準備はできていますか?
・内容証明はその性質上、いくら文面にやさしく丁寧な言葉を並べた
としても、宣戦布告という印象を相手方に与えてしまうものです。
そのため個人間にあっては、それまでいくら親しい間柄であっても
その人間関係が崩れてしまう可能性があること、
また、会社間にあっては、その後の取引の継続は難しくなるであろう
ということは覚悟しておいて下さい。
すなわち、「とりあえず内容証明でも」という考えは捨てて頂きたい
ということです。
・「内容証明で、貸金・売掛金が全額回収できました!」
当事務所は、依頼者の方からこの言葉を頂くために全力を尽くします。
ただ、残念ながら、内容証明のみでは解決に至らない場合があることも
事実です。
この事実から目を背けることなく、もし内容証明が功を奏さなかった場合、
その後どのような対応策があり、それによってどのような結果がもたらされる
ことがあるのかを予め知識として持ってことは重要です。
その詳細は内容証明 次の一手をご覧下さい。
以上が「心の準備」の内容となります。
上記2点(やり残したことがある・心の準備不足がある)に該当すると
いう方は、まずそれらを解消するための対応をして下さい。
それでもまだ内容証明を出す踏ん切りがつかないという方は、
口頭などでの請求と内容証明郵便の中間の対応形態としての
催告書・通告書の作成を考えてみるのがよいと思います。
これはすなわち、書面ではあるが内容証明郵便ではなく通常郵便を
利用し、文面は専門家に考えてもらうが、文中や差出人名に専門家の
名前を入れずにあなたの名前のみを記入するというものです。
当事務所では、この催告書・通告書の作成も承っておりますので
ご相談下さい。
■あなたの貸金・売掛金は
法律上存在していますか?
「本当にお金を貸したのですか?」と疑っているわけではありません(笑)。
ここでは時効についての話をさせて頂きます。
貸金や売掛金は法律上「債権」として扱われます。
これらの債権はある一定の期間が経過すると消えてなくなってしまいます。
これがいわゆる時効にかかるということです。
そして、この時効にかかってしまう一定の期間は債権によって異なります。
友人間でのお金の貸し借りなどについては、「権利を行使することができる
時から」(民法166条)、10年で時効にかかってしまいます。(同167条)
この「権利を行使することができる時」というのはいわゆる弁済期が
決まっているかどうかによって異なります。
すなわち、①「2か月後の○月○日に返す」と決めていればその時。
②弁済期を特に決めなかった場合は、お金を貸した日から相当の
期間が経過した日。
③「次に雨が降った日に返す」などと不確かな時を弁済期とした
ような場合には、その雨が降った日。
これらが「権利を行使することができる時」にあたります。
このように、貸金については10年という比較的長い時効期間が定められて
いるので、内容証明で貸金を請求する際に時効についてあまり神経質に
なることはないのですが、これが売掛金となると話は違ってきます。
商売をしている人同士間での債権の時効期間は5年です。(商法522条)
「なんだ、結構長いじゃないか」と思われたでしょう。
ただ、一般のお客さんに対する代金などについては、職業や商売の内容に
よって特に短い時効期間が民法上定められており、この期間にひっかかって
しまって売掛金を請求できなくなるというケースが現実にはあります。
この特に短い時効期間が設定されたものの一例を挙げておきます。
●時効期間が3年間のもの(民法170条)
・医者・助産師・薬剤師の診療費など
・請負工事代金
●時効期間が2年間のもの(民法173条)
・生産者・卸売・小売の商人の売買代金
・床屋・クリーニングの代金
・各種の学校や学習塾の授業料
●時効期間が1年間のもの(民法174条)
・飲食店の代金
・ホテル等の宿泊料
・運送費
・レンタカーの料金
それでは、あなたの貸金・売掛金が時効にかからないように
するにはどうすればよいのか?
民法147条には時効を中断させる事由として次のものが規定されています。
すなわち、①請求 ②差押え・仮差押え又は仮処分 ③承認
です。
①の「請求」は、日常生活で使う意味とは違います。つまり、単にお金を
返して下さいと相手に伝えることはこの「請求」にはあたりません。
この「請求」は、裁判上の請求つまり訴えを提起することをいいます。
したがって、訴えを提起することによって初めてあなたの貸金・売掛金の
時効が中断するということになります。
②の「差押え等」は、国の執行機関が差押え等それぞれの手段をとること
を意味します。
③の「承認」は、日常生活で使う意味と近いニュアンスで捉えていただいて
結構です。
つまり、「確かにあなたからお金を借りています」と直接認める場合や、
認めていると解釈できるような行為をすることをいいます。
例えば、借りているお金の一部を支払うことや、利息を支払うことや、
返済をもう少し待ってほしいと言うこともこの「承認」にあたります。
内容証明を出した後、相手方から何らかのリアクションがなされることに
よって、この「承認」による時効中断が可能です。
①の「請求」について、裁判上で請求しなければ時効が中断しないの
なら、内容証明で請求する意味がないのでは? と思われた方へ。
「お金を返して下さい」と口頭や内容証明で請求する場合、
すなわち、日常生活で使う意味での請求のことを、民法では「催告」と
規定しています。(153条)
この催告によって、確定的に時効が中断する訳ではないのですが、催告後
6ヶ月以内に裁判上の請求や支払督促の申し立てをすれば、
確定的に時効が中断されます。
この「催告」が具体的に意味を持つ例としては、時効期間が1年と規定され
ている売掛金の時効があと数日で成立してしまうという場合です。
こんな時すぐに裁判上の請求ができればよいのですが、その準備が間に合
わないという場合、この「催告」として内容証明を出しておけば、
その時点から6ヶ月は時効が成立しないので、その間に裁判上の請求
などの手続きをとればよいということになります。
このように、貸金・売掛金の時効を中断するという観点からみると、
「承認」と「催告」という場面で内容証明による請求が意味を持つと
いうことが分かって頂けたことと思います。
「私の貸金の時効期間は10年だ。まだまだ時間に余裕があるので
貸金請求に内容証明を使うのは無意味では? と思われた方へ。
上記で述べたのは、あくまで時効中断という観点からみた内容証明の
利用法を考察したものです。
あなたが貸金や売掛金を請求する本来の目的は、時効を中断すること
ではないはずです。
貸金や売掛金を回収することこそが主たる目的であり、
その目的が実現する可能性が高いからこそ内容証明の利用を
お勧めしているのです。
具体的には、内容証明が持っている、相手に心理的圧力を与える
という効果によって、貸金や売掛金が回収できるということがあります。
そして、「内容証明はタダの手紙だ」というような情報が溢れている現在
でも、充分利用価値が認められるツールであるという事実は変わりません。
さらに、明確かつ簡潔に主張が書かれた内容証明を作成
しておくことで、もし内容証明が奏功しなかった場合でも、その後の
訴訟手続等において有力な証拠として活躍してくれることでしょう。
内容証明で貸金や売掛金を請求する前の確認事項のチェックが終了した方
は、「明確かつ簡潔に主張が書かれた内容証明」を
作成してくれるプロを選んで依頼する必要があります。
どんな人物に依頼するかによって結果が左右される可能性があるので、
慎重に選定作業をしなければいけません。
ただ、案外身近に条件を満たしたプロがいるかもしれません。
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