|
消費者契約法(重要条文抜粋)
【2001年4月1日施行】
消費者契約法は、消費者と事業者との間で締結された
労働契約を除く消費者契約のすべてを対象としています。
■1条(目的)
この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに
交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が
誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の
意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の
損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害する
こととなる条項の全部または一部を無効とすることにより、
消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と
国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
■3条(事業者及び消費者の努力)
事業者の義務として、
①消費者契約の条項を定めるにあたって、消費者契約の内容が消費者に
とって明確かつ平易なものとなるように配慮すること
②消費者契約の締結について勧誘をする場合には、消費者契約の内容に
ついての必要な情報を提供するようにすべきこと
を掲げています。
ただし、これらの義務は努力義務であり、法律上の義務規定とは
なっていません。
消費者も消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を
活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について努める
ものとすると規定されています。
■4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の
取り消し)
事業者が消費者に対して、契約の勧誘の際に、重要な事項について
ウソをついたり(不実告知)将来どうなるか分からない不確実な事項
を確実であると断定したり(断定的判断の提供)、
消費者にとって利益になることのみを言って、不利益となる事実がある
のにそのことをわざと言わないような場合(不利益事実の不告知)
消費者は取り消すことができるという規定です。
また、訪問販売などで、消費者が事業者に家から帰ってほしいと言っても
帰らなかったり(不退去)、事業者の事務所などから帰らせてほしいと
言っても帰らせてくれなかったり(退去妨害)したことで、消費者が
困ったあげく契約をしてしまったような場合にも取り消しができる
という規定です。
■5条(媒介の委託を受けた第三者による勧誘)
4条で規定された、消費者が取り消すことができる事業者の行為について、
事業者本人ではなく、事業者から契約締結の媒介を委託された
第三者が行った場合も同様に取り消すことができるという規定です。
クレジット契約やリース契約がなされた場合に、この規定を使うことが
あります。
■7条(取消権の行使範囲)
4条に掲げられた行為、例えば事業者から契約の重要な事項について
ウソをつかれた場合、そのことを消費者が知った時から6か月以内に
取消権を行使しなさいという規定です。
また、事業者の事務所から帰らせてくれなかったような場合には、
消費者がその事務所から物理的に解放されただけではなく、
心理的にも事業者に対する恐怖心などがなくなったといえるような状態
になった時から6か月間取り消すことができるというものです。
また、契約の時から5年たった場合も取消権は消滅してしまいます。
■8条(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
事業者の債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任や瑕疵担保責任
を全部免除する免責条項および故意・重過失による債務不履行や
不法行為に基づく損害賠償責任を一部免除する免責条項を
無効としますよという規定です。
例えば、契約書の中に「事業者はいかなる理由があっても
一切損害賠償責任を負いません」などと記載されていても、
その条項は無効になりますよという規定です。
■9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項などの
無効)
解除に伴う損害賠償の予定ないし違約金条項につき、
当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき
平均的な損害の額を超えるものは、その超える部分について
無効とするという規定です。
また、他の法律に別段の定めがない限り、金銭の支払い期日経過による
遅延損害金の予定が年14.6%を超えるものも無効とされます。
ここでいう他の法律とは、利息制限法を指し、金銭消費貸借契約の場合、
この条項の適用はありません(利息制限法が適用されます)。
例えば、ある契約を消費者が解除した場合、事業者に対して違約金などを
支払う必要がありますが、その契約の中に定められた違約金の金額が
同種の事業のそれに比べてあまりにも高い場合には、その高い部分の
条項が無効になりますよという規定です。
■10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
民法、商法・・・その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による
場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する
消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に
反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする
という規定です。
例えば、事業者と消費者が締結した賃貸借契約の契約書に、
「敷金についてはいかなる理由があっても一切返還致しません」と書かれて
いた場合、それは、民法に定められている信義誠実の原則
(取引関係に立つ者はお互いに信頼を裏切らないようにしようというもの)
に反して消費者の利益のみを害するような条項なので無効になりますよ
という規定です。
割賦販売法(重要条文抜粋)
■30条の4(割賦購入あっせん業者に対する抗弁)
消費者がお店で商品を購入する際に、クレジット払いを選択した場合で、
商品が引き渡されないとか、お店に対してクーリングオフの申し立てを
したような場合には、お店に対して主張できるのと
同様の主張をクレジット会社にも主張できるという規定です
民法(重要条文抜粋)
■5条(未成年者の法律行為)
未成年者が、親権者(父母の場合が多い)の同意を得ないで事業者と
売買契約などをした場合には、その契約を取り消すことができる
という規定です。
■95条(錯誤)
事業者と行った契約において、消費者の側に契約の大切な部分に
勘違いがあった場合には、その契約は無効だと言えるという規定です。
■96条(詐欺・強迫)
事業者と行った契約において、消費者がだまされたり、脅されたりした
場合にはその契約を取り消すことができるという規定です。
★95条・96条の成立が認められるためにはクリアーしなければ
ならない要件が色々あるので、実務的には特定商取引法や
消費者契約法などでの救済が可能かどうかについてを優先的に
考えます。
■3条(電子消費者契約に関する民法の特例)
重過失ある者は民法上の錯誤を主張できないが、電子消費者契約に
おいては、重過失があっても錯誤無効が主張できる場合が
あるという規定です。
例えば、出会い系サイトで「全て無料」と記載されていたので登録したが、
後から情報料の名目で金銭を請求された場合、そのサイトの下のほうに
登録は無料だが情報料は発生するという記載があった場合、
消費者が民法上の錯誤を主張したときは「消費者が確認すれば料金が
かかるという記載に気付けたはずなので、消費者に重過失がある」と
事業者から主張される可能性があります。
このような状況であっても、この条文を使えば
錯誤無効が主張できる場合があるということです。
|